食品に発生するコナダニの駆除と予防対策

食品に発生するコナダニの駆除と予防対策

食品に発生するコナダニの駆除と予防対策

コナダニは小麦粉やパン粉などの食品の他、畳にも発生することがあります。駆除と予防対策について解説。

食べ物に発生するコナダニの駆除と予防対策

コナダニ(ケナガコナダニやサトウダニが)体長0.3~0.5mmの皮の柔らかい半透明なダニで、一般に楕円形の胴体をもっていて粉のように見えます。チリダニに似ていますが、背中に横溝があるので区別でき、胴体部に長い毛が生えています。

コナダニが厄介なのは、食品に発生すること。は貯蔵食品(穀粉・乾燥果実野菜・菓子類など)、具体的には小麦粉、パン粉、米、味噌、砂糖、煮干、チーズなどあらゆる食品に発生し、発生した食べ物はカビが生えたように真っ白になるのが特徴です。特にチーズに発生するものはチーズダニと呼ばれ、味噌に発生するサトウダニという種もいます。

コナダニの中でも多いのがケナガコナダニで、繁殖環境は湿度75~85%、湿度25~28℃で、環境温湿度条件のとき新しい畳の含有水分が15%以上になると、畳材の新わらを食べて猛烈に繁殖するので、新畳の上に絨毯を重ねて敷いたりすると最悪です。

ケナガコナダニが大量発生すると、これを捕食する体長0.2~1.0mmで末端の爪が巨大なツメダニが発生し、これが人を刺咬してかゆく、赤く腫れたりするのです。コナダニとツメダニはセットで対策に取り組まなければいけません。

コナダニが繁殖する食べ物と、活発になる環境と季節はいつ?

コナダニが屋外で発見されることはまれで主に室内の乾燥した保存食品に湧いて出てくることが特徴です。全世界に分布している種ですが、日本では、かつお節、唐辛子、パン粉、味噌、チョコレート、チーズなど、あらゆる食品に発生します。

穀類を用いた飼育実験によると、コナダニの発育には含水量14%以上が必要で、カビや酵母などを摂食するときに繁殖が活発になります。しかし、穀物の含水率が12.4%以下になると発生すらできなくなります。

梅雨時には、気温25~28℃、湿度75~85%RHとなり、コナダニの繁殖に最も都合の良い季節となります。

コナダニの生態

発育は、卵(4~6日)→幼ダニ(1~2日)→前若ダニ(1~2日)→後若ダニ(1→2日)→成ダニと進み、温湿条件が良ければ2週間以内で成熟する。ヒポプスの存在は知られていません。

繁殖適温は25~28℃、最適温度は75~85%RHですが、7~10℃でもゆっくりと発育できます。47~50℃の高温下で速やかに死滅し、湿度60%RH以下では繁殖できません。

コナダニの仲間のサトウダニ

サトウダニは、チリダニやコナダニに似ていますが、成虫は第2脚の基節板がW字型に連結しているので他のダニと区別出来ます。

胴体部末端に対の赤黒い班が目立ち、長い毛が2対生える。従前、市販味噌に多数生息することがあったのですが、近年、味噌の製造工程の改良が進み発生が減りました。

しかし、木樽で長時間熟成した味噌にサトウダニが検出されることもあるので安心はできません。開封した味噌は冷蔵庫に保存し、できるだけ速やかに食べてしまいましょう。

コナダニの被害は他にどんなものがあるの?

コナダニは人を刺すようなことはありませんが、その大発生に伴って出現する天敵のツメダニは、ときにひとを刺すことがあります。食べ物に湧いて困るだけでなく、二次災害があるのです。

以前は新築家屋の畳からよく発生したものですが、現在でも湿った畳や掃除が行き届かない湿った箇所に多数生息し、梅雨の時期には大量に発生して粉のように見えます。極めて不快な上、食品を台無しにするので食品常日頃から点検し、室内を乾燥させて、カビが生えないように努めることが大切です。

新築なのにコナダニが発生する理由

新築間もない住宅やマンションでコナダニが畳床などに大発生して問題となることがあります。異常発生したときには畳の上が白い粉をまいたような状態になるのが特徴です。

なぜ新しくてキレイな建物に害虫であるダニが発生するかというと、秘密はコンクリートにあります。一般的にコンクリートは、建設後約3~5年間は中に含まれた水分を蒸発し続けるため、室内が湿気を帯びやすくなるのです。このせいで、湿気を好むコナダニが発生することも。しかし、5年以上経ったあとは大量発生は見られなくなります。

コナダニの防除と対策

熱処理、低温度処理および薬剤処理が代表的な方法になりますが、これらの組み合わせによるのが最も効率が良いでしょう(熱処理は、60℃1時間で完全に死滅させることができます)。

薬剤は粉剤や油剤を使うのが基本。畳の下に撒いて使います。なぜ粉剤や油剤を使うかというと、乳剤だと湿度を上昇させてしまい、コナダニが繁殖しやすい環境を作ることになるからです。

フェンチオン、フェニトロチオン、フェノトリン、ベルメトリンなどが薬剤として効果的です。普段から屋内の風通しが良くなるようにしておけば大量発生を回避することができます。

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