コメムシ(ココクゾウムシ)の駆除と予防対策
コメムシ(ココクゾウムシ)の駆除と発生予防対策
- 代表種:ココクゾウムシ
- 学名:Sitophilus orizae LINNAEUS
- 分類:節足動物門 昆虫網 コウチュウ目 オサゾウムシ科
- 発生時期:1年中
米粒を食べてしまうコメムシ。代表的な種はココクゾウムシ。
あまり掃除されていない米びつの中によく発生し、幼虫が米粒の中に潜んで生息します。
成虫は寒さに弱いのですが、この虫が米を食害することで温度が上がり成虫も生息できる環境が作られ繁殖が進んでしまうという悪循環になってしまうことがあります。被害に合わないようにするには低温で管理することが大切です。
コメムシの生態・特徴
コメムシ(ココクゾウムシ)は全世界に分布し、コクゾウムシと並んで米やトウモロコシ、麦などの大害虫。日本ではコクゾウムシのほうが一般的ですが、世界的にはココクゾウムシのほうが多い。
成虫、幼虫ともに穀類を加害しますが、成虫は穀粉で発育することができません。
成虫には飛べる型と飛べない型がいます。日本国内に生息する系統はほとんど飛ぶことができないので野外から発見されることはありません。
成虫は体長2~3mmで、赤褐色から黒褐色。卵は鶏の卵のような形で0.5mm程度。
幼虫は、乳白色で卵型に大きくなり成熟すると体長2mmになる。サナギは、体長2mm程度で後翅の翅痕は短い。コクゾウムシに似ていますが、コクゾウムシは鞘翅の斑紋の模様が大型で輪郭が不明瞭であるのに対し、ココクゾウムシは斑紋がないか、ある場合には小型で輪郭がはっきりとしていて明瞭であることが特徴です。
また、コクゾウムシでは触覚第3節の長さが幅よりも長いのに対し、ココクゾウムシは長さと幅とほぼ等くなてっいます。前胸背は、コクゾウムシでは前方に向かって挟まるのに対し、ココクゾウムシではほぼ平行である。
日本での発生は、通常年4回。成虫は寒さに弱く、幼虫の状態で冬を越します。
暖かくなると一気に成長して被害が拡大する
ココクゾウムシは通常、25℃の温度で産卵されてから羽化まで約1ヶ月かかりますが、より短い期間で成長して被害を拡大させることがあります。
コクゾウムシに食害された穀物は発熱現象を生じ、33~38℃と高温になります。これによって発育に要する期間が短縮されてしまうのです。
温度上昇により、寒さに弱い成虫も生きていけることになり冬の間も繁殖が可能になってしまいます。1頭のメスの産卵数は、1度に150卵ほど。成虫がせっせと繁殖している間も、幼虫はどんどん食害をし続けるのでどんどん被害は拡大してしまいます。
コメムシが発生したときの対処法
虫がついてしまった米は変色してしまいます。ためらわず捨ててしまいましょう。
米を取り除いたあと、米びつの中に、くん蒸剤(フォグロン)を撒くことで消毒します。
コメムシの駆除と予防
倉庫はつねに清潔、そして低温を保つことを心がけます。
米びつの中に古い米ヌカや米が残らないように、定期的に掃除して清潔に保つのが一番の対策です。
薬剤を使う場合、床や壁面、部屋の隅などに薬剤を残留噴霧しておくことで予防効果があります。
すでに大発生している場合には、ガス燻蒸などによって処理できますが、一時的に完全に駆除できたとしても異物混入を根本から解決できるわけではありません。日常から侵入と加害を防ぐことができるように配慮しておくことが大切です。