シバンムシの駆除と予防対策

シバンムシの駆除と予防対策

シバンムシ対策

シバンムシは主に小麦粉やパン粉などに発生する害虫。食べ物以外にも畳やゴザなど植物性の製品にも発生。被害を受けた食品は即廃棄。畳などはくん蒸剤で消毒、天日干しする。飛び回るので電撃殺虫器が有効です。

シバンムシの駆除と発生予防対策

シバンムシ対策
  • 代表種:ジンサンシバンムシ(人参死番虫)
  • 学名:Stegobium panicea LINNAEUS
  • 分類:節足動物門 昆虫網 チョウ目 シバンムシ科
  • 発生時期:春~秋
 

シバンムシは、主に古く固まった小麦粉やパン粉、菓子類に発生して食害する害虫です。

食べ物に限らず、乾燥植物の加工品が被害の対象になり、畳やゴザ、スダレ、じゅうたんに穴を開けることもあります。

対処法としては、シバンムシの被害にあった食べ物はすぐに捨てるしかありません。食べ物以外の加工品はビニール袋に入れてくん蒸剤(フォグロンなど)で消毒します。

シバンムシは飛び回る虫なので、駆除するには電撃殺虫器が有効です。

シバンムシの生態と分布・見た目の特徴

成虫は体長3mm前後、楕円形で赤褐色、全体に微毛を密生し、光沢はありません。触覚先端3節が大きくなっています。

卵は0.3mm前後で白色。幼虫は白色で各体節に沿って短毛列があり、成熟すると約4mmに達します。サナギは乳白色~淡黄色で体長約3mm。

全世界に分布。日本での発生は通常年2回。東北地方で年1回、九州・鹿児島では年3回発生を繰り返すことがわかっています。

シバンムシの発育過程

夏期において、卵期間は10日ほど。幼虫は5~6週間で4齢を経て成熟し、繭(まゆ)を作って蛹(サナギ)になります。サナギの期間は約10日。成虫は羽化後1週間ほど繭の中に留まったあと、脱出して交尾する。メスは3週間に20~60卵を1卵ずつ産むが、産卵を終えた後も3~5週間くらい生きる。

シバンムシの生育に適している温度は22~30℃。卵で13.9℃、幼虫12.0℃、サナギで14.7℃以上であれば成長していきます。

生育日数は温度条件などによって大きく変化します。適していない温度の環境では過剰に脱皮を行って、最大8齢を経過します。越冬は幼虫の状態で行いますが、保温性の良い暖房された部屋では、冬期でも少数の成虫が出現します。

シバンムシの被害にあうとどうなるの?

シバンムシは極めて雑食性が高く、非常に多種多様なものを食べます。

主に含水量6~15%の乾燥植物質に発生し、小麦粉やパン粉、お菓子類、香辛料、シイタケ、ソバなどが加害されることが多いです。そのほかにも木製品、顔料、鉛板、錫箔(すずはく)、ケーブル線なども食害されることがあります。

また、漢方薬やその原料に大発生することがあるため、「くすりやなかせ」の異名を持っています。

シバンムシという和名の由来は、乾燥した薬用ニンジンに多く発生することからつけられました。有毒植物の解毒能力があって、タバコやトリカブトなども食べることができます。

シバンムシが発生したときの対処法

乾燥植物の加工品(スダレやゴザ)については、加熱乾燥するか、ビニール袋に入れてくん蒸剤(フォグロンなど)で消毒 。畳やじゅうたんはそく掃除して天日干しします。

虫のついた食品はいさぎよく諦めてすぐに捨てましょう。

よく飛ぶ虫なので、発生源の応急処置を行った後は、市販の電撃殺虫器で家の中に飛んでいる虫を駆除すると良いでしょう。

シバンムシの駆除と予防対策

倉庫などは整理整頓、清潔に保つこと。掃除によって発生源を除去することが一番大切。

シバンムシは湿気を好みます。湿気がこもりがちな家では、畳やゴザを定期的に日光に当てて天日干しすることで消毒します。

殺虫剤については、フェニトロチオン、ダイアジノン、ベルメトリンが有効です。ジクロルボスはこれらの10倍量を必要ですが即効性に優れています。

食品に発生した場合は廃棄処分すること。発生源が確認できなかったり、うまく除去できない場合はガスくん蒸で全体の消毒が必要です。

シバンムシはシバンムシアリガタバチの寄主になるため、生活衛生上からも問題があります。発生したら放置せずに対策しましょう。

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