100本足のムカデはいるの?
ムカデの足は本当に100本?
ムカデを漢字で書くと「百本足」ですが、本当に足が百本もあるムカデなんているのでしょうか?
結論からいうと、「今のところ」見つかっていません。
発生(卵から細胞分裂して成長していく過程)に秘密があると言われていますが、とにかくいません。
ちょっと足が多いからといって、大げさに百と名付けられたのでしょうか?数が多ければなんでも百と言いたがる日本人の悪い癖でしょうか?
外国の例も交えて紹介します。
ムカデを英語やドイツ語で書くとどうなる?
ムカデを外国語で表記すると、
- ラテン語 : centipeda
- 英語 : centipeda
- ドイツ語 : Hundert
となります。要はどれも100本足という意味なんですが、ちょっと豆知識を。
「centi」は100。cm センチメートルのセンチの部分。1メートルの100分の1という意味です。あとは1ドルは100セントですね。そういう使われ方です。そして、「peda」は足。
ドイツ語のHunderも100という意味です。無理やり日本語風に書けばフンダートとかフンダルト。そう、英語のHundred(ハンドレッド)です。
ドイツ語だと100そのままですが、英語だと100分の1を使う・・・?ちょっとややこしいですね。ちなみにフランス語なら100は cent(サン)となります。
漢字では、「百足」と書くのが有名ですが、他には「蜈蚣(ごこう)」、「蝍蛆(しょくしょ)」という書き方もあります。
100本ピッタリじゃないけれど……すごいのがいる
現在、虫類の「あし」を表現するのは「足」ではなく、「脚」または「肢」とするのが正式な書き方ですが、ムカデには百本の脚がある種類はいるのでしょうか?
トビズムカデやゲジの成体では、脚の付いている胴体(有脚胴節)はそれぞれ21(42脚)または23(46脚)、15(30脚)なので、百本もありません。
なんだ、期待はずれだ。と思うかもしれませんが、土の中に住んでいるジムカデ類は脚がついている胴節の数が29~191(!)もあります。つまり、脚の数はゆうに100本を超えているのです。
しかし、ちょっと奇妙な法則があって、それはムカデの胴節は基本的に「奇数」だということです。胴節が偶数のムカデの仲間は今のところ見つかっていません。
50胴節で脚が100本という、絵に描いたような理想のムカデはいないのです(人間が知っている限りでは)。
胴節が奇数になってしまう理由は、卵から細胞分裂して成長していく過程の中で、なにかしら制限があって奇数になっていると考えられています。
ちなみに、ヤスデを英語で言うと、millipeda (千の脚)であり、ムカデやヤスデが属している多足類のことは myeriapod(万の脚)と表現します。外国人も、かなり「盛っている」わけです。
どちらかというとムカデの方が有名ですが、多足類の中ではヤスデの方が格上のようです。
実際の数は置いておいて、とりあえずたくさんある、大きな数として100を持ってくるのは日本も外国も同じなんですね。