ネズミの習性と特徴
ネズミの習性。駆除に活かせる5つの特徴
ネズミ退治の話に入る前に、家ネズミの習性とビルにおける生態を知っておきましょう。
建物の中を徘徊する家ネズミ(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)の習性を知ることで、ネズミ退治を効率よく行うことが出来ます。
ネズミの習性
ネズミの習性で特徴なのは以下の5つです。
- 夜行性
- 五感。近視で聴覚が優秀。味覚が特殊
- 跳躍力がすごい
- かじる力がすごい
- 大食い。大食漢である
1.夜行性
ネズミは主として夜間に活動しますが、純粋な夜行性ではなく、光の下でもモノは見えています。
建物内でも夜間に活発に活動するのですが、これは夜間に人間がいなくなるため安全であるのと、電気が消されて暗くなった方が活動するのに便利だからです。
ちなみに、ネズミの1日の活動の周期性を見てみると、日没後30~60分の間が最も盛んに活動しています。次に日の出30~60分の間が第2のピークとなります。
2.五感。全体的に優秀だけど近眼。特殊な味覚を持っている
ネズミの感覚器官(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五感)は全体的に優れていますが、視覚はそれほど発達しておらず近視です。色の識別は不明瞭で、盲目だという説もあります。
聴覚はごく小さい音に対してはとくに敏感に反応するので、迂闊に近づこうとすると逃げられます。
味覚がちょっと変わっていて特殊な反応を示します。忌避剤として使われるシクロヘキシイミドは、人間が食べても味を感じないものなのですが、ネズミの場合は電撃的なショックを受けます。反面、トウガラシのような辛いものは好んで食べ、甘味はとくに大好物。塩水に対しては人間ほど敏感ではありません。
3.跳躍力
ネズミは跳躍力が優れています。
ドブネズミで高さ80cm、クマネズミで高さ90cmは飛び上がり、幅は1.5mくらいを飛ぶ能力を持っています。
高所から飛び降りることも可能で、ドブネズミは高さ10mから落下しても無傷でいられるほどです。
また登坂力にも優れ、クマネズミは立体的(縦)な行動が得意で柱をつたって簡単に上に移動してしまいます。平面的(横)な行動が主で地上に住むドブネズミであっても、壁に割れ目があったり表面がザラザラした壁面であれば、かなりの高所まで登ることが可能です。
4.かじる力が強い
ネズミのかじる力は驚異的です。表面がなめらかでなければ大抵のものは穴を開けてしまいます。下アゴの門歯を工具のノミのように前後左右に動かして小さな穴を開け、それを手がかかりにガリガリかじっていくのです。
そうやって1日から数日かけて、壁があっても自分が楽に通過できるほどの穴を開けてしまいます。頭さえ入れば楽々侵入し、小さい身体のハツカネズミは直径10mmぐらいの穴なら楽に通過します。
さらに、ネズミはモグラと同じように地中にトンネルを掘ることも出来ます。ただし、トンネルを掘る速さや深さはモグラほどではなく、その範囲はせいぜい地面下35cmまで。これ以上深い基礎が築かれていれば、穴を掘って侵入されるようなことはありません。
コンピュータのシステムダウン、電車が止まることも
木材や土にとどまらず、電線、コンクリート、金属、ビニール管、ゴム管、信号ケーブル、電話線など、人間社会にとって重要なものは常にネズミにやられる可能性があります。もちろん、個人の家の壁や天井もその標的です。
うさぎ、ネズミ、リス、ムササビ、ヤマアラシなどの齧歯目(げっしもく)に属する動物はその名とおり歯の構造に特徴があります。
他の哺乳類にある犬歯や小臼歯がなく、そのかわり門歯(前歯)が発達して絶えず伸び続けます。このため、堅いクリやドングリ、クルミなどを噛み破ることが出来るのです。
この鋭い歯で手当たり次第にあらゆる堅いものをかじるのでプロパンガスのゴム管が破れてガス爆発を起こしたり、電線の被覆(ひふく・表面を覆っている部分)が破られて漏電や停電、あるいあ感電事故が発生したり、信号ケーブルがかじられてJRや私鉄で運行不能事故が生じたり、コンピュータをダウンさせる事態にも至るのです。
5.大食い。だから、空腹に弱い
ネズミは毎日、自分の体重の1/3~1/4の量のエサを食べます。マナーが悪く、1つのエサを一気に食べ尽くすようなことはせず、次から次へと色んなエサをつまみ食いして散らかしすのが特徴です。
とにかく大食漢なのですが、反面飢えには大変弱いです。ドブネズミで3日間、小さいハツカネズミは1日しか絶食に耐えられず餓死するという大きな弱点があります。
家にネズミが住みついてしまったら、エサになるようなものを一切取り除いてしまうのも有効なネズミ対策です。