アオバアリガタハネカクシの駆除と予防対策。刺されたときの対処法

アオバアリガタハネカクシの駆除と予防対策。刺されたときの対処法

ハネカクシ対策と応急処置

体に触れるだけで皮膚炎を起こすのがアオバアリガタハネカクシ。もし体についたら潰したりせず、サッと払いのけて、患部にはステロイド軟膏を塗る。庭の雑草を刈り、網戸からの侵入を防ぐことが大切。

アオバアリガタハネカクシの駆除と予防対策。刺されたときの対処法

アオバアリガタハネカクシに刺されたときの応急処置
  • 代表種:アオバアリガタハネカクシ
  • 学名:Paederus fuscipes CURTIS
  • 分類:節足動物門 昆虫網 甲虫網 コウチュウ目 ハネカクシ科
 

単にハネカクシとも呼ばれる。成虫は体長6~7mm、頭は黒く、胸と腹、触覚と脚は黄橙色、鞘翅(しょうし)と腹部末端2節は青藍色。全体的に光沢を帯びてピカピカしています。

鞘翅(しょうし)というのは、カブトムシのように上の硬いものと、下の柔らかいものの2段階で出来ているハネの形のこと。このため、ハネカクシという名前がついています。

イネなどにつく害虫(ウンカ、ヨコバイ)を食べてくれる良いところもあるのですが、人間に触れると厄介なのがアオバアリガタハネカクシ。人間の体に止まったときに毒液を出し、そこが皮膚炎を起こしてひどくなると強烈な痛みを感じます。

アオバアリガタハネカクシの被害

アオバアリガタハネカクシが人間の体に止まったとき、毒物質であるペデリンを含む体液が分泌され、それが付着した部分が水ぶくれになります。

昔は虫をつぶしたときに皮膚炎が起きると考えられていたのですが、たとえつぶさなくても虫の体液が分泌されて皮膚炎が起きることがわかっています。とにかく触れられないようにするのが大切です。

症状は、体液がついておよそ2時間ほどしてかゆみを感じ、赤くなって水ぶくれを起こし、ひどくなると火傷をしたときのような痛みに変わっていきます。

アオバアリガタハネカクシに刺された(被害にあった)ときの対処法

チクッと刺されたりすることはなくても、気がついたら体液を出しており被害をもたらすのがハネカクシの厄介なところです。

治療には、体液が付着したところに化膿止めの薬(ステロイド軟膏・抗ヒスタミン剤入)を塗ります。完全に治るまでにかかる期間は2週間ほど。掻きむしったりすると、その跡が化膿して症状を悪化させてしまうので注意。

目に入ってしまうと激しい痛みを感じ、結膜炎(けつまくえん)や角膜潰瘍(かくまくかいよう)を生じることもあります。虫の体液が目に入ってしまった場合には、速やかに眼科で治療を受けましょう。

害虫に刺されたときの対処法

アオバアリガタハネカクシがいるところ

南北アメリカ大陸以外に世界で広く分布。日本では全国に分布し、水田や川原、池・沼の付近など湿気があるところを好み、雑草や落ち葉、朽木や石の下に隠れて生息しています。

年1~3回の発生。メスの成虫だけが冬を越える。土の中に産み落とされた卵は3~19日で孵化し、幼虫は10~50日で2回脱皮してからサナギになる。その後、3~12日で成虫になる(羽化)。

ウンカやヨコバイといった虫をよく食べます。これらはイネを食べる農業害虫のため、アオバアリガタハネカクシは農業においては益虫(良い虫)とされます。しかし、夜間に電灯などの明かりに集まり、人の家に入ってきて被害をもたらすのので害虫でもあります。

成虫は5~10月まで活動しており、特に6~8月は活発に飛び交い人間に危害を加えます。

アオバアリガタハネカクシの駆除と予防対策

広い野外で徘徊しているの虫なので、完全に駆除するのは難しい。

飛んでいる虫に対しては殺虫スプレーで駆除することができます。光に集まってくる習性があるので、電気蚊取り器も有効。

なるべく家の中に入れないようにするのがポイント。防虫網戸を使ったり、サッシの隙間を埋めるように加工して対処します。

庭に雑草が多いと寄せ付ける原因になるので、定期的に草刈りをすることも大切な予防策です。

体に止まってきたら、叩いたり潰したりせず、サッと払いのけるようにして追い返しましょう。

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