ヒアリの駆除・予防対策。刺されたときの対処法

ヒアリの駆除・予防対策。刺されたときの対処法

ヒアリ被害の対処法

ヒアリはアルカロイド系の毒を持ち、刺された場合はアナフィラキシーショック(アレルギー反応)を起こす危険性も。もし家の周辺に発生した場合にできる対策にはどんなものがある?

ヒアリに刺されたときの対処法
  • 代表的な種:ヒアリ
  • 学名:Solenopsis invicta

ヒアリは毒針を持つ凶暴なアリ。昆虫から爬虫類、小型の哺乳類までも襲って食べてしまいます。

ヒアリが持つ毒はアルカロイド系であり、危険なタンパク質も含んでいます。人間が刺されるとアナフィラキシーショック(アレルギー反応)を起こして昏睡状態から死に至ることも。

開けた土地を好んで巣(アリ塚)を作るため、公園や農地では人間と接触する可能性があり注意が必要です。

※2017年現在、日本国内においては港湾地区(兵庫、愛知、福岡、横浜、東京)で確認されました。内陸部では、埼玉、茨城、愛知でも見つかりましたが、今のところ内陸の市街地で遭遇する可能性は極めて低いと考えられています。今後の動向には注意が必要です。

ヒアリの特徴。生息場所、食性は?

ヒアリの体長は2.5~6mm。色は全体的に赤茶色で、腹がやや暗い茶色。亜熱帯~暖温帯に生息。土で直径25~60cm、高さ15~50cmのドーム状のアリ塚を作ります。最大で高さ90cm、深さは180cmに達することも。

生息場所は、

  • 公園や農耕地など開けたところ
  • 巣を作ることができる土があるところ
  • エサとなる昆虫がいるところ

ヒアリは雑食で、昆虫やトカゲといった小さい動物から、甘露、樹液、花の蜜、種子など何でも食べます。性格は攻撃的。昆虫や小動物を集団で攻撃して食べてしまいます。

ヒアリが増えるとどんな問題があるの?

生態系に関わる影響

日本にいるアリを駆逐してしまうかもしれません。ヒアリは凶暴な性格で、アリだけでなく昆虫や爬虫類、小型の哺乳類も集団で攻撃して食べてしまうほど。鳥の巣を攻撃してヒナの生育に影響があったという報告もあります。

家畜への影響

牛、馬、鶏などの家畜への死傷被害

人間への健康被害

アルカロイド系の強い毒(スズメバチもこのタイプ)はよる非常に激しい痛みを伴い水泡状(すいほうじょう)に腫れます。かゆみ、発熱、じんましん、激しい動悸などの症状も引き起こされます。アナフィラキシーショック(アレルギー反応)によって昏睡状態から死に至ることも。アメリカでは死亡件数が毎年100件にものぼっています。

ヒアリに刺されやすい状況と予防策は?

農作業や庭の手入れ、家庭菜園といった野外でひとつの場所止まって作業するときが被害に遭いやすい状況といえます。

刺されないようにするには?

サンダルを外に置きっぱなしにしないこと。外では必ず靴を履いて素肌がむき出しにならないようにします。

野外での作業前ベビーパウダーを靴やズボンに振りかけておくとアリが体に登りにくくなる効果があります。

ヒアリに刺されたときの対処法

刺された瞬間は、熱く激しい痛みを感じ、痒くなってきます。症状が軽ければそのままですが、ひどい場合は腫れが広がってじんましんが出ることがあります。

重度になると、呼吸困難・血圧低下・意識障害といった症状が現れます。刺されてから数分~数十分の間に息苦しさ、声がれ、動悸やめまいなどが起き、意識を失うことも。これらはアナフィラキシーショック(アレルギー反応)と呼ばれ、処置が遅れてしまうと命の危険を伴います。

もしヒアリに刺されたら安静にして、どのような症状が現れるか注意深く観察する必要があります。

刺された直後の対応

20~30分は安静にし、気持ち悪くなったりしないか体調の変化に注意しましょう。症状が悪化しない場合、病院で受診します。

症状が悪化した場合

しばらく様子を見て症状が悪化したら、とにかく近くの病院で受診。救急受け入れがあるか確認します。アリに刺されたこと、アナフィラキシーショックの可能性があることを伝えます。

アナフィラキシーショックの危険がある方は、アレルギー反応を緩和するための自己注射キット(エピペン)を使うという手もあります。急激に症状が悪化したときに効果があるものですが、あくまでも補助治療剤なので、速やかに医師の診療を受ける必要があります。

症状が軽度の場合、抗ヒスタミン剤の内服薬を使用します。

ヒアリの侵入を防ぐには?

  • 窓を開けっ放しにしないこと。
  • エサとなる生ゴミを放置しないこと。
  • 野外での作業には、プラスチック製の手袋を着用する(軍手は使わない)。

仮に、家の周辺でヒアリが発生した場合、駆除作業が行われたとしても完全に絶滅させられたとは限りません。家の中に紛れ込んでしまっている可能性もあるので、ゴミ置き場やキッチン、植木鉢や窓周辺のチェックは怠らないようにしましょう。

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