スズメバチの駆除・予防対策。刺されたときの応急処置
スズメバチの駆除と予防対策・刺されたときの応急処置
- 代表的な種:キイロスズメバチ
- 学名:Vespa xanthoptera CAMERON
- 分類:節足動物門 昆虫網 ハチ目 スズメバチ科
刺されると命を落とすこともある、大変危険なスズメバチ。木の枝や地中だけでなく家の天井裏や軒先に巣を作るので、人間にとっては厄介な存在です。
警戒心の強いスズメバチは、近づいたり刺激を与えると攻撃してきます。発生のピークを迎える夏から秋は注意が必要です。
働きバチは体長20~28mm、黒色と黄色のシマ模様。胸背部には三角形の黒色紋があります。
スズメバチの分布と食性
国内に広く分布している。北海道のものは本種の現亜種で、ケブカスズメバチと呼ばれています。
スズメバチは花の蜜や果物など色々なもの食べます。幼虫時代はチョウの幼虫を肉団子にしてものを食べて成長します。
スズメバチの発生時期と生態
夏から秋にかけて発生します。巣は夏から作り始め、秋に最も大きくなります。
春・活動開始
春、越冬から覚めた女王は、木の枝や軒下などに巣を作り産卵を開始。これらの卵はすべて4~6週間後に羽化し、はたらきバチに成長します。女王バチだけでなくはたらきバチも産卵できるのですがそれらの無精卵であり、全てはたらきバチとなります。
夏~秋・巣の巨大化と新女王バチの誕生
夏に作られ始めた巣は、はたらきバチの出現と増加によってものすごいスピードで大きくなっていき、秋頃には直径40cmを超えてハチの数も数百頭に達するようになります。
この頃になると、女王の生む無精卵はオスの働きバチとなり、受精卵からは新しい女王バチが生まれます。
秋・世代交代と女王バチの越冬
巣は1年1代で捨てられ、晩秋には巣にいた女王バチも働きバチもみんな死滅してしまいます。しかし、唯一、交尾をした新しい女王バチだけは生き残り、枯れ木の中などに隠れて冬を越えます。
スズメバチに刺されたときの処置
スズメバチ類は大型で毒量も多いため、刺されると激痛を感じ赤くなって腫れます。
応急処置としては、ステロイド軟膏を塗り、水で湿布します。アンモニア水はあまり効果がありません。体質によってはショックを起こすことがあるので、もしそのような症状が現れた場合には速やかに病院へ行って医師の診断を受けてください。
治療にはエピネフリン(アドレナリン)の皮下注射が効果的であることが知られています。欧米ではエピネフリンアンプルと注射器がセットで市販されてます。
ハチが襲ってきたら、とにかくその場所から離れ、できるだけ遠くに逃げましょう。
スズメバチの駆除方法
家に巣を作られてしまった場合、まずは撤去することが先決ですが、大変危険なので業者に依頼するのが無難です。
自分でやる場合、安全のため遠くからでも使える強力噴射の専用殺虫スプレーを使いましょう。スズメバチの活動が収まる日没後に作業を行うことで安全性を高めることができます。
その他の方法としては、巣から離れた位置から、ジクロルボスの煙霧を巣の中に充満させたり、巣の出入口からエーテルや酢酸エチルを染み込ませた綿を巣の中に投入する、といったものがあります。即効性はないものの、ハチミツにネグホンを1%に溶かした毒エサも効果的です。
近づくと危険な範囲は通常あまり広くなく、1mほど。しかし、一度刺激してしまってハチが興奮していると10m以上まで襲ってくることもあります。とにかく、ハチを刺激しないようにすることが大切です。
スズメバチの予防対策
巣を作られないようにするのが一番ですが、残念ながら確実に効果が得られる方法はありません。
巣を見つけたら、とにかく近づかないこと。巣に対して何もせず刺激を与えなければ、刺されることはありませんので安心してください。
巣の除去作業は業者に依頼するのが無難です。
スズメバチに刺激を与えないために
登山やピニクニックへ行くときは、意図せずスズメバチに遭遇してしまうこともあります。できるたけスズメバチを刺激しないようにするためには、服装や匂いに気をつけることこが大切です。
- 香水やにおいの強い化粧品をつけないこと
- 襲われにくい白い服を着る
- 帽子をかぶる
- スズメバチの毒を体内から吸い出す専用のキットを携帯する